「平均寿命が延び、無形の資産への投資が多く求められるようになれば、余暇時間の使い方も変わる。時間を消費するのではなく、自己へのリ・クリエーション(再創造)に時間を使うようになるのだ。」(ライフシフト312頁、原文のまま)
昨日は次女の事例がわかりやすいので紹介した。会社勤めをしながら余暇を利用していろいろな文化活動を体験し、自分が最も無心で取り組めたことを人生の次のステージとして選択したのだ。マルチステージという言葉の意味を私に教えてくれる存在だ、
先日テレビを見ていたら、私がよくこのブログの参考にさせてもらっている小説家原田マハさんが自分の人生を語っていて面白かった。30代で自分よりも10歳も若い人たちと一緒に美術の高等教育を学び直し、そのアートの世界で活躍していながら44歳の時小説家に転身した、
ご本人の言葉によると、「40代で自分をリセットしなければと思う瞬間があった。」「このままでいいのかな。人生で一番やりたいことがまだやれていない気がする。何か忘れていないかな。」そして、以前アンリ・ルソーの描いた「夢」の前で、この絵のことを自分の創作の中で紹介したいと約束したことを思い出し小説家へ転身したというのだ。以前生涯発達心理学のブログで、女性の40代半ばから人生の午後に向かうアイデンティティの再構築について触れたが、まさにその典型のようだ。
これまでは、商業化された娯楽の消費活動を中心とするレジャー産業が台頭したが、今後は、個人レベルでの自己改善への投資活動に力を入れるレジャー産業が発展するかもしれない。
実は、次女のところへも観光業者から、鎌倉観光の団体のコース別体験活動に加えさせてもらえないかと打診があったそうだ。単に名所旧跡を見たり、美味しいものを食べる観光旅行ではなく、文化を体験的に学ぶ需要があるということだ。