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選択する自由と時間(まとめ)

 教員人生を振り返って思い出話のようなブログになってしまったが、改めて「時間」とは自分にとってどんな意味があるのかが大事なのだと思った。面白いゲームでも他にやりたいことがあるのに指示されてやらされる時は楽しくないはずだ。自分の選択権が与えられていることが大事だと思う。

 誰かと話をしていて、悩み事や愚痴を聞かされることが楽しいはずはない。でも、それがその人の人生の課題と受け止め、共により良い方向を見つけようと寄り添って話を聞くことができるとすれば、自分の存在感が高まることにもなる。教育相談を仕事として心理学・脳科学を求める私にとっては、そういう時間こそ大事なのだ。

 嘱託職員としてパソコンに向かい、データ処理に勤務時間の大部分を充てていた5年間は、何か1日の時間の過ぎるのがゆっくりな感じがした。教員時代に真夜中まで仕事をしていて、「もうこんな時間か」と思った時間の流れの速さとの違いを思う時、早く退職しようと思った。人生の残された時間があまりないと思うと、もっと自分のやりたいことにしっかり時間を使いたいと思った。

 ライフシフト第8章の本題に次回から入るが、人生100年時代と言われ、与えられた時間が長くなるからのんびり過ごそうということではないと思う。マルチステージでいろいろな人生の変化を体験する人間は、いかにその時間を自分にとって価値のあるものにしていくかが問われているのだと思う。たくさんの分かれ道に立ち、どちらをどのような根拠で選び、その道をどのように進むのか、自身が選択していくのだ。豊かさ・幸福度は、時間をどのように使い自分の人生の充実感を高めていく要素が重いと思う。就職し、与えられた仕事を一生のものとして過ごし、退職してからは「余生」をのんびり過ごす3ステージの生き方と違う世界をよく見つめていこう。