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シニアも新しい選択肢探索

 前回は「選択肢を維持するヤングアダルトたち」について扱い、多様な選択肢を探索しつづける者たちを“YAHOOS”と名づけたことを紹介した。3ステージ時代は、ステージの移行は、教育から仕事へ、仕事から引退への2回だったが、マルチステージの時代はその移行の回数が増える。

 さて、私たちシニア世代はまさにその移行期である。昔は、引退・余生・年金世代とか言われ、何かを選択するというより、家族や地域との関わりで老後を過ごしていた。しかし、生涯現役のブログで扱ったように、これからは新しいステージの人生を開いていくことが当たり前になっていくだろう。その移行期間はどのように過ごすのだろう。

 私は、この研究室起業で、心理学や人生論を学び、教育相談や講演などで過ごしている。また、中学校の部活指導員や公民館の指導、退職校長会の代議員など、勤めていた頃の延長といえる仕事もこなしてきた。その日々の中で、常にもっと新しいこと、自分が燃えるようなことはないかと探す気持ちが常にある。YAHOOSなのだ。

 このブログを書きながら改めて全くこれまでの仕事とは違う選択肢はないかと振り返ってみた。合唱・教育以外で興味のあることを挙げるなら、日曜大工(今はDIY)が好きらしい。実は、この週末3日間ほどハマっていたのはそれだ。自分の仕事場のファイルケースと本棚の空きスペースを活用してキーボードの置けるスライドテーブルを作った。合唱の音取りなどするときにキーボードを引き出し、楽譜も立てられるようにした。この工作を始めると、休憩どころか食事をするのも後回しにしてしまう時がある。技術好きというより、自分のアイディアを実現するのが好きなのだろう。ずいぶん前だが、屋根裏のスペースが広いので、そこに3畳分ぐらいの屋根裏収納スペースも作ったこともある。

 他にも、資産形成に力を入れて、株や投信も自分の考えで実行している。冬季五輪でカーリングが好きで全試合見た。藤沢五月さんのような素敵な女性が身近にいればゆっくり話し込んでみたい気もする。男性にはそれが苦手な人がいるが、大学の音楽科はほとんど女性の世界だったので、私は女性と話すのは得意になったようだ。料理も妻にリクエストするのではなく、自分が好きなものは自分で作って味わうもが楽しい。

 昨日見たYouTubeで、仏教研究者が老人の生き方について話していたが、その中で「過去に生きるのが老人。未来に生きるのが若者。」と言っていた。なるほどと思った。これからも自分のやりたいことを探し続けることで若者の心を無くさないようにしようと思う。