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選択肢の多様化とステージの移行

「ライフシフト」第6章「新しいステージ〜選択肢の多様化」について考えてきた。マルチステージの人生を「エクスプローラー」「インディペンデント・プロデューサー」「ポートフォリオ・ワーカー」という三つのスタイルから考えてきた。それぞれの説明は終えて、今日はその三つのスタイルの関連や移行について考えたい。

 それぞれが年齢的にいつに該当するかは多様だ。本の中では、旅をして探究するエクスプローラーの時代を経て、自分を最も活かすことのできる活動を見つけて取り組むインディペンデント・プロデューサーの時代が来て、それを重ねる中で複数の活動に自分の存在価値を発揮するポートフォリオ・ワーカーと流れるように読めるし、私の人生を考えてもそれが自然だと思う。そしてそれぞれ新しいステージに移行する期間があることも説明されている。それはある意味見通しのはっきりしない不安定な時期でもある。

 ただ、これまでブログで紹介してきた私の人生を振り返ると、インディペンデント・プロデューサーのステージにいながら、別な冒険をしていた時期もあれば、どちらが重要とも言えず二つの活動をなんとかこなしていた時期もある。まさにマルチステージとはそんなものかもしれない。

 昔は、学業を終え、就職、結婚、出産、家を持つといった流れを当然と皆が思い、家族で力を合わせて達成することを目指した。「もっと別な人生があるのでは」などと考える人は稀だったのかもしれない。いや、その3ステージの人生から外れて「負け組」などと言われてしまった人もいるだろう。

 これからの長寿化の時代は、選択肢が多様になり、よりその探索や創造に努力を払うようになる。その選択肢は不確実性が高いほど価値が高いこともある。まさに金融商品と同じだ。選択肢を狭めないために、結婚や子どもをつくることを遅らせたり、ローンを組んで家を買うことも避けるようになる。いつまでも不安定なティーンエイジャーのように、一般社会の型枠を超えてもっと価値のある選択肢を探り続ける。本の中では、そんな不安定さを持った世代に対してガリヴァー旅行記に登場する生物ヤフーズ(YAHOOS)という呼称を提案している。