「ライフシフト」では、無形資産を三つのカテゴリーで分類している。
1 生産性資産 2 活力資産 3 変身資産 である。
一つ目の「生産性資産」は、仕事でよい結果を出し、所得を増やすといったことに役立つ要素だ。最もわかりやすいのは長年かけて身につけたスキル(技能・能力)や知識だ。
二つ目の「活力資産」は、やる気をかき立て、前向きな気持ちにさせるものと考えると、健康や友人、愛など、肉体的・精神的健康、心理的幸福感などだ。
三つ目の「変身資産」は、100年時代の人生設計を考える中心に「マルチステージの生き方」がある。急速な時代の変化の中で生きる時、スキルや知識を頻繁にリフレッシュしていく必要ながる。その新しいタイプへの移行を成功させる意思と能力が「変身資産」と呼ぶべきものだろう。
話題が外れるようだが、ここ20〜30年の間に中国の技術・科学・経済などなど、多方面での発展が著しい。それに対抗する方向として、韓国や台湾は、新しい技術の開発に取り組んだ。しかし、日本は、価格競争で負けないための戦略に走り、中国の発展にかなわない状況になってきていて、国民の年収が伸び悩んでいるという。その議論についてはこのホームページの本題ではないので、そんな情報がありますということだけにしておく。ただ、心配なのは、上にあるような、「生産性資産」である、スキルや知識が時代の変化に対応できないのに、いまだに「日本は科学立国で世界でトップクラスの技術・知識を持っている」と思い込んでいないだろうか。色々なことが、「様子を見て慎重に考える」ということに偏っていないか心配だ。貧富の差についても二極化が世界で最も心配な国になってきていて、「活力資産」の面でも不安だ。コロナ禍のため、自殺者が増えたり、死刑になりたいから人を巻き込んで犯罪を犯すなどは、そんなことの表れのように思えてならない。