昨日は、アップルウォッチを例に、情報処理技術の発展の加速度の増し方が想像を超えていることに触れた。「100年時代の人生戦略(ライフシフト)」に、人が働く経済的価値の問題で、アップルの例が上がっている。(以下、書籍より引用)
「アップルのiPhoneやiPadなどのタブレット端末は、主に台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業の子会社が中国の深圳に設けている工場で生産されているが、製造コストが販売価格に占める割合は5〜7%にすぎない。アップルが販売価格の30〜60%相当を得ている。深圳の工場従業員が生み出している経済的価値は一人当たり2000ドル相当なのに対し、アップルの従業員は一人当たり64万ドル以上の経済的価値を生み出している。経済的価値を生むのは、製造ではなく、イノベーション(革新・新機軸)なのである。」
私のアップルウォッチを注文してから届くまでに結構待たされたが、中国の在庫次第とのことだった。私の払った代金54,300円のうち、約3,000円が製造コストで、その10倍の約30,000円がこれを生み出した知恵に支払われるのだ。大学等で学んだり若い時の経験で人の上に立つ時代は終わり、いかに新しい発想で企業の革新を図れるかという能力が問われる。新しい時代を見据え、技術革新に関心を持ち、新鮮な発想を生み出していく生き方が求められている。そんなイノベーションに長けている人は、独立して起業することも多い。その能力に十分応える待遇が図られているかなど、企業も新しい戦略を生み出すエネルギーを高めていく取り組みが必要だ。これからの生き方の基本となる無形資産として「生産性資産」「活力資産」「変身資産」の三つがあげられている。それらをもう少し掘り下げてみていきたい。(続く)