自分と社会を見つめる科学 その35

 サクセスフルエイジング(幸福な老い)を迎える心理学“Q&A”の2日目は「イライラ老け」にならない方法です。

 歳を重ねるとちょっとしたことでイライラしたりキレやすくなる人も少なからずいるとのこと。眉間のシワ、口角の下がり、何より目つきのイライラ感は周りも辛い。

 植木理恵氏はそれについて心理学のある実験を例にひいて、イライラした時に、すぐにキレて反応するタイプの人は、1週間後になっても「あの時のことは許せない」といかりが固定化しストレス値が高いままだったと言います。なので、嫌なことがあった時、すぐに言い返さずに、とりあえず30分ぐらいは「ふーん」とだけ言って黙っている習慣に切り替えましょうと説明している。

 確かに私も怒りをぶつけても何も解決しないどころか、居心地が悪くなったり、別なことでこちらが怒りをぶつけられたりして、長く引きずってしまう経験をしたことがある。イライラすることがあっても我慢して過ごした方が楽だと思ってしまうことが多くなった気もする。話し合っても解決できないことや、相手によっては丁寧に説明してもこじれることだってある。一生懸命やったのに改善しないと自分のやる気も削がれ、ネガティブな思いが膨らんでしまうこともありうる。

 イライラ老けは避けたいが、我慢するのが当たり前の人生ではサクセスフル(幸せな老い)とは言えないですよね。どこかにそれを吐き出し、思い(たとえ愚痴でも)を共有してくれる人がいることがいることが重要な要素ではないでしょうか。世の中には自分では解決できない問題がたくさんある。だからこそ教育相談・人生相談の場が必要なのです。このブログを読むことで、自分の考えを整理してくれたり、誰か身近に愚痴や悩みをぶつける人を見つけて、明日をスッキリした気持ちで迎えられるようにしてほしいです。

 このブログは心理学的視点からこんなことが大事ですよと発信する場として発信しているが、読んだ人が「私はそれができないから悩んでいるの」と言われてしまうという心配があります。でもご理解ください。書いている本人だって、悩みもあれば、これが大事ですと発信しておきながら、三日坊主で継続できない目標もあるのです。他人事ではないから毎日頑張っていられるのです。今日公民館の講座で紹介したタモリの言葉を紹介します。

 

「自分がいかにくだらない人間か思い知ることで、楽にもなれる」

 

 どうですか。ブログを読んで悩みを増すことだけは避けてください。メールによる相談受け付けています。(続く)