サクセスフルエイジング(幸せな老いを迎える)心理学具体的方策の第2弾は、ポジティブな心持ちや行動の仕方です。
人生誰しも思うようにいかないことや悲しいことに出会います。それをねじ曲げて楽しい思い出にするなんてできないと思うし、ネガティブな時の方が物事を深く考え、冷静で論理的な思考ができるという説もあります。ただ、そんな辛い・悲しい出来事の中で、自分の人生と冷静に向き合い、「次の一歩をどう踏み出すか、それを考えるチャンスだ」ぐらいの気持ちは持ってほしいです。小さな一歩でも歩み出してみると、次第に道は開けてくるものです。
公民館の「歌と健康セミナー」で取り上げる話題ですが、ある心理学の研究で、“人は「出来事」と「気質」のどちらが「幸福感」を持てるか”という実験をしたそうです。どんな出来事をどのくらい経験したかということと、そんな出来事をどう受け止めるかという「気質」のどちらが「幸福感」に及ぼす影響が強いかということを調べたようです。結果は、気質の影響が大きく、悲しい出来事が多くても、気質がポジティブな人は、幸福感をより高く持っているようです。また、ある修道院で修道女たちの日記を分析し、同じような経験でもポジティブに受け止めて表現している人たちの方が、平均寿命が10年ほど長かったということです。
幸せな老いを迎えるのに、起きた出来事は変えられないけれど、どう受け止め、次の一歩をどう踏み出すかは本人の気持ち次第です。生涯現役のブログに紹介したタモリのように、ものごとを「そんなものさ」と受け止め、「これでいいじゃないの」と気を楽にして受け止める発想も大事ですね。
例えば、「座右の銘は現状維持」「今は頑張れって言いすぎる。それで生きづらくなっているんじゃないかな」こんなタモリの言葉が、人生から逃げているのではなく、むしろ強さを感じさせてくれるのは、気持ちを確かに持ち、自分を大切にしているからこそ出てくるのではないでしょうか。(続く)