老年期は60代前半以降とされるが、人生100年時代と言われ「エイジレス社会」というような言葉まで都合よく使われる時代なので、何歳からということは混沌としている。「退職」のような人生の大きな変化はわかりやすいとは思うが。これもどんな仕事をしているかによるし、勤め人で形は退職しても、立場を変えて同じような仕事を続ける人も多い。
私自身は、60歳定年で校長という立場は卒業したが、続けて教育委員会で社会教育主事として勤め続けた。大きく変わったのは、責任の重さと食事。毎日、朝昼夜の3食を決まった時間に食べることができるというのは、気持ちの面でも体の健康面でも本当にありがたいと思った。また、勤務時間がきちんと終わるおかげでアマチュアの男声合唱団に入り、仲間と歌い、飲み・語りと青年期に真剣に取り組んだ合唱団活動に復帰できたのもありがたいことだった。
老年期の変化の三つの要素について以前ブログでまとめたが再びここで整理してみよう。その三つとは、「社会的変化」「心理的変化」「身体的変化」だ。
社会的変化は、仕事や家族関係など社会的な立場の変化。心理的変化は、人によって様々だが、ふさぎ込んだり、怒りっぽくなったり、とても穏やかになったりなど、心のありようの変化。身体的変化は、目や耳、足腰、病気がちなど色々な身体の機能の劣化による変化。それぞれが独立したものではなく、互いに原因と影響を分析すれば関係が強い。
劣化、不適応、喪失、そんな言葉に表される人生のまとめの年齢について、もっと賢く過ごすことができないものかこれから詳しく見ていこう。(続く)