エリクソンの発達段階は、人生を大きく八つの段階に分けている。昨日までの第5期「青年期」に続いて、第6期は「成人期」(19〜39歳頃)続いて第7期は「壮年期」(40〜59歳頃)最後が「老年期」(60歳頃以降)とされている。年齢の区分については、いろいろなネット情報を見ていると、全体に後ろに伸びている感じだ。人生100年時代、大学を出れば20代半ばということや退職が遅くなりエイジレス時代ということも考えれば、この区分は当然遅く区切りが来ると見るのが正解だろう。
今日から成人期についてまとめていきたい。寿命の伸びも考え40代半ばぐらいまでを「成人期」と見ていこう。それは基本的に社会に出て仕事や家庭を作り上げていく上り坂の時代とも言える。
ユングは、人生を太陽の動きになぞらえて、40歳を「人生の正午」と呼び、その後の中年期を「人生の午後」と呼んだそうだが、今の時代に当てはめると、45歳ぐらいが「人生の正午」だろうか。仕事や家庭に夢中で取り組んできた人生の大きな転換点である。子どもたちは青年期となり、親離れ・子離れを求められる。仕事でも、与えられた自分の仕事だけでは済まなくなり、立場的に責任が重くなると共に、人によっては大きな分かれ道の選択を迫られる。
45歳ごろは、その不安感に振り回される時であるが、ある意味それまでの人生で排除してきた自己の可能性を見つめ直し、新たな自己を生成していくことが求められる時期とも言えるかもしれない。人生の午前中(20代後半から40代前半)にやりたくてもできずに影(シャドー)の存在としてきたものに光を当て、その中に自分という存在を統合していき、「新しい私らしさ」を見つけていく時だろう。
明日からは、とりあえず、上り坂を夢中で過ごす成人期を研究し、その人生の正午をどう向かえるかについて考えていきたい。(続く)