青年期の発達、自分をどう見つめていくかについて考えようと思っていたら、市のボランティアセンターからサマチャレの参加者や受け入れ側の感想を集めたので、それについての感想を書いて欲しいと依頼されていたのを思い出した。ちょうどこのブログと内容が重なるので、良い材料をいただいたと思った。
長野市のボランティアセンターでは、毎年夏休みを利用して、中学生・高校生を中心に募集して、3日間程度のボランティア体験(略称:サマチャレ)をしてもらう事業を行なっている。事後に感想を集め集約して参加者に送付する取り組みもしている。それは、今後の運営の参考にするだけでなく、参加者自身にとってどんな意味・価値があったのか振り返って欲しいと思うからだ。運営委員は、そのアンケートをもとに感想を書き、伝えることで参加者を励まし、やってよかったという思いを膨らませるという役目を担っている。
参加者への私の感想をそのまま紹介しよう。(250字という指示なのでかなり内容を絞った)
「人生は自分発見の旅である」私の好きな言葉です。人は幼少期だけでなく一生心が発達していくのです。毎日学校で学んでいます。でもそれで得た力をどう使っていくかはあなた自身の生き方の問題です。いろいろな人やその生きる場と出会うことで、自分の生き方・目指したい方向が見えてくるのです。このサマチャレを通して良い自分発見をしてくれた人が大勢いてうれしいです。「社会を学ぶこと、これもボランティアなのだと体験して初めてわかりました」という感想がありました。学校では学べないことをこれからもたくさん求め続け、宝物をたくさん見つけてください。
思春期・青年期はアイデンティティー(自己同一性)がテーマになる。「自分はこういう人間なんだ」ということを知る時期だ。自分自身を客観的な視点で見るということ、「自分が他人にどう見られているかを意識すること」、つまり公的自己意識が高まってくるのだ。仲間や先生、その他いろいろな人と出会い、関係を深めたり、その関係を通して自身を見つめるようになるのだ。他者との関係を自身を映す鏡とし、自分の価値、能力、長所・短所などを知っていく。自分の社会的役割を自覚していく時期なのだ。
高校生かと思うが感想を一つ紹介して今日は終わりにしよう。
「私は、子どもたちと関わる中で、笑顔を多くもらいました。なので、それに負けない笑顔で接することが大事だと思いました。もちろん笑顔で接することは必要です。でもそれ以上に子どもたちに笑顔にさせてもらっているとも感じました。なので、ボランティアに行ってう喜んでいるのは体験先の人じゃなくて私たちなのかもしれません。」
この青年期の若者にとって、単に「笑顔で楽しかった」ではない世界が、自身の成長となり、さらに自分を見つめていきたい思いを膨らませていくのだろう。(続く)