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熟成するシニア世代 その19

 昨日は、ボランティアの意味とコヴィー著「7つの習慣」について考えた。人間にとって命の次に大切なのは、「選択する自由」だと。では、「なんでも自由に選択していいのか?」と反論する人もいるだろうが、そうではない。目指すものがあり、そこにたどり着くために何をどう選択していくのか、先を見て船頭のように櫓を漕ぐということだ。流れに任せてなんとなく進み、結果がうまくいかなければ、何かのせいにするのは違いますよということだ。もちろん世の中そんな都合よくいかないとは思うけれど。

 そんなことを考えていたら、家事をしながら見ていたYouTubeの「森田一義(タモリ)名言集というのが面白かった。以下に紹介しよう。(興味のある人は自分で検索してください)

 

「座右の銘は『現状維持』」

「自分がいかに下らない人間か思い知ることで、楽にもなれる」

「今は頑張れって言い過ぎる。それで生きづらくなっているんじゃないかな」

 

 この辺りはいかにもタモリって感じで愉快だが、あらためて日頃の悩みなんかにつなげてみると「ほんとだなあ」って思ってしまう。

 よく「こんなこともできないのか」とか、「世の中そんなことじゃ通らないよ」などと、世間的なルールや自分の感想を一番正しいことのように言う人がいるが、その常識とか社会のルールとか言っているものに乗っかって生きているのは、「選択する自由を」忘れて、世の中の流れに任せてなんとなく生きているということになるのではないだろうか。自分の心と向き合って、「なぜこれを苦労と思ってしまうのだろう」「これが本当に世の中の人のためになることなのだろうか」など、自分のやっていること、悩んでいる理由を振り返りもせず、「自分はダメな存在だ」などと思わないでほしい。タモリはさらに続ける。

 

「やっぱり近道はないよ。真ん中の王道が近道なんだ。」

「他人に期待などしなければ、つまらないことで感情的にならずにすむ。そうすれば人間関係に波風も立たなくなり、円満に誰とでも付き合える」

 

 確かにそうだなと思う反面、「タモリだからできることかも」と思ってしまう。だから誰でも自分にのしかかってくる問題を、ちょっと離れたところから眺め直してみて、「こうやったら面白いんじゃないかなあ」とか、振り回されずに、選択の自由があるという原点に返って、方向転換する技を磨きたい気がする。

 

「ストレスは発散できない。溜まる一方だから。ストレスは忘れるしかない。」

 

 なるほどとは思うけれど、ここまでいけるのは難しいなとも思ってしまう。明日もタモリの言葉をもう少し掘り下げてみよう。(続く)