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老いの研究 その6

 しばらくブログが止まってしまった。身体的変化(衰え)については、あまり扱わないと前回書いたが、その後で、また「めまい症」が出てしまった。幸い歩いて行けるほど近くに“耳鼻咽喉科・めまい科”という医院ができたので、対応がすぐできる。年齢とともに誰しも体のどこかに傷みが生じるのは仕方がないことだろう。ただ、それについての知識や、もっと根本的な身体の仕組みや老化については知っておくことが危険を防ぐ意味で大切だと思う。

 今年の1月、突然激しい吐き気におそわれた。週末だったので、様子を見て来週医者へ行こうと思っていたが、原因もわからず何科に行けば良いのかもわからない状態だった。しばらく胃を休めて、そろそろおかゆなら良いかと思って食べたみた。食べるのは大丈夫だったが、動いた途端に全てまた吐いてしまった。結局妻に長野市民病院の緊急外来に連れて行ってもらい、諸検査をしてもらったが原因ははっきりせず、とりあえず吐き気度めと点滴で落ち着かせた。3日間ぐらいで落ち着いたが、きちんと対策をとらなかったので、また2週間ほどしてぶり返した。

 娘が調べてくれて近くにめまい科があるということで、早速診てもらった。病名は“良性発作性頭位めまい症”と言われた。人の頭の傾きを感知する三半規管の組織が剥がれ、平衡感覚を乱し、真っ直ぐ立っていることが難しくなる。結果としてバスに酔ったような激しい吐き気として現れ食事ができなくなる。吐き気留めやその原因となる組織の改善の薬をもらって落ち着いたが、その後も薬が終わると、1〜2ヶ月で乱れることを繰り返している。

 老いの研究で、我々の身体は、日々古くなったものを壊して新しい組織を作っていることの繰り返しだということを知っていたが、次第にその部品の更新が正常にできないことを実感した。ストレスや水分補給に気をつけるなどの注意点は医院の先生からアドバイスされたが、特にこうやれば治るという病気ではないようだ。一生付き合っていく必要がある課題が心臓の他にまたできてしまった。「幸福な老い」は、そういったことを避けて通ることができないとすれば、それにどう付き合い、立ち向かっていくか考えていかなくてはいけない。(続く)