主観年齢は心身の健康に影響するという。自分を実年齢より若く感じているからよいというわけではなく、人は主観年齢に沿って行動するからだろう。集まれば互いにあっちが痛い、こっちが具合悪いとか、どの薬が良いなどという話題がほとんどになってしまう人たちより、活動も言動も若々しい要素がある。服装や髪型などの見た目、興味関心の対象など色々な点で、主観年齢が若い人の方が若々しい。佐藤教授の研究によると、「主観年齢は実年齢よりも健康状態や寿命、幸福感などとの関連が大きい」「高齢者について考えるうえで、主観年齢の重要性は増している」とのことだ。
たまたまネットで見ていた情報で、3回離婚した男のことが面白かった。最初の結婚は3歳年下の女性、2度目は10歳以上、3度目は30歳も離れた女性とのこと。(やや年齢差は記憶が曖昧)問題はその男性の言葉だ。「付き合っている女性が若くないと自分もどんどん老けていくようで不安」とのこと。若い女性と一緒に生活することで、自分も若いと感じていたい、いや自分の老化に対する不安を打ち消すために離婚と結婚を繰り返すのだろうか。ちょうど老いの研究と関連があり印象に残ったニュースだ。もちろん気分的にそんな若い人と過ごし楽しくなれるなら誰しもうれしいだろうが、これも度を過ぎると精神的な不安定さを感じる。
単に若い人と過ごすだけでなく、その心の持ちようや何を目指して日々を重ねているか、自分の存在感をどこに置いているかなど、広く考えなくてはいけない。特に結婚の場合は、お互い様の心で、自分の存在が相手にとってもとても価値のあるものであることが重要なので、相手が歳をとってきたからと、不満を持ってしまうのでは、いずれはその先に自分の居場所がなくなる暗闇が待っているとしか思えない。主観年齢とは、単なる思い込みでなく、実際の行動や考えと結びついて初めて意味が高まってくる。(続く)