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老いの研究 その1

 幸福な老いというテーマでブログを続けてきたが、やや最近個人的な日記風の記事が多くなり、自身の日々更新が止まっている気がする。もっと専門的知識に触れながら、日々の生活向上、多くの人への価値ある事項伝達に足場を置いていきたい。

 今日から「老いの研究」と題して、医学的な面や社会学・心理学…色々な視点で学びながら自分のこととつなげて生き方を深めていきたい。

「あなたは自分の何歳ぐらいだと感じていますか?」問われた時、誰しも若干差し引いて答えたくなるものだろう。教員をやっていた頃、子どもたちは遠慮なく「先生歳いくつ?」と聞いてくる。本当に若い先生は正直に答えるが、次第に少し低めに答えたり、「やだー答えたくない」などと誤魔化したりする。私も、校長になってからも聞かれて、思い切りふざけて「25歳」などととんでもないことを言うと子どもたちは盛り上がって、笑いながら「うそー、70歳でしょ」などとふざけているうちに正解を言わずに済ませた。

 人の意識で、自分の感じている年齢を「主観年齢」と言うそうだ。実際の年齢と主観年齢は、20代前半ごろを境に逆転するそうだ。つまり、その頃までは、実際の年齢より人は年上に見られたくて、20代後半ぐらいになると次第に実際の年齢より若く感じていたいようだ。

 歳をとって、周りの人から「お身体大丈夫ですか」などと心配されると「まだ自分は大丈夫なのに」「年寄り扱いしないで」などと不満を感じるのはそこに感じ方のギャップがあるからだろう。

 それに関する研究では、実年齢と主観年齢の差が、60〜70代では6〜7歳ほどの開きがあったそうだ。70代ごろまでは実年齢より自分は若いと感じる傾向が続くの対して、80代以上では体調などによって感じ方が揺れ動くことがあり、精神状態が良くない時は「自分はもう若くない」などと答えるケースがみられたそうだ。(参考:ニュートン「老いの教科書」掲載大阪大学佐藤眞一教授の研究論文)

 自身に対する若さを感じたい思いは、できれば年齢に応じてではあるが、ある程度若目に感じ続けていたいものだ。自身の限られた人生の長さを思うと人はできればポジティブなことに目を向けていきたい傾向が強いらしい。「どうせダメだ」ではなく生きる強さを守りたいものだ。(続く)