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幸福な老い 居場所づくりその6

 公の組織の協議委員をいくつかお引き受けしているが、再任され続けているものがいくつかある。私の立場・意見をご理解いただいているのはありがたいことだ。

 昨日は行政の長は地域のパワーをぜひ活用してほしいと書いたが、なかなか難しい点も多い。市民の大部分が希望しているようなことでも、一部の反対する人たちにとっては切実な問題だったりすることもある。行政の専門的視点から長い目で見て絶対必要だと思えることでも、関係の人たちに理解してもらうのは大変な労力が必要なことが多い。逆に予算の削減などで市民の反対が多そうなことでも、これまでより縮小しなくてはならないことも多く、そんな場合は、マイナス面をできるだけ表面に出さず、よくなることを強調して納得してもらうこともある。市民の声を届ける委員は、それぞれの出身母体の立場や考えだけでなく、その委員になった責任というか目指すものをよく理解して、広く市民生活の向上を図れることを考えなくてはいけない。そのためにも提案する人、その影響を受ける人、いろいろな視点から物事を考えたり、より専門的な視点で角度を変えて見つめてみたり、物事の本質を掴む努力が必要だろう。

 委員として、単にほっぺた回し的に1・2年だけやればいいやとか、自分の組織の都合の良いことを言う良い機会としたり、自分の存在感を高め名を高める場としたりなどなど、本来の責任を見失うことのないように努力したいものだ。

 市専属のジュニア合唱団を成立まで頑張ったが、それはあくまで自分のためではなかったので、子どもたちの活躍する姿を見ることはとてもうれしい。ただ、次第に市民の要望が届きにくくなったり、熱意を持った在住の教員や音楽家の協力が遠のいていくとしたら、子どもたちの未来が縮小していくようで切ない。(続く)