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幸福な老い 居場所づくりその2

 自分の居場所とは単に部屋、仕事場だけではなく、その仕事・役目の内容も含めたものだと思うが、とりあえず場所について紹介していきたい。

 自分が退職した時、「元◯◯学校長」では過ごしたくないということは以前に触れた。しかし、単に自分が「これからはこんなことに取り組んでいきたい」と動き出しても、それが社会的に認められないものでは自己満足で終わってしまう。何より自分自身がこんな形ばかりのものでは寂しいだろう。「研究室」と名付けたからには、その目的で使える場が欲しいと考え、玄関脇の部屋を「学べて人と会話できる場所」に改造した。

 玄関に郵便ポストを設置し研究室の名前も明示した。これは目につきにくいのでもっと通りに面した入り口に看板を掲示したい気もするが、基本的にネットを通しての人との交流や講演会、公民館講座などの出かけて行っての仕事なので、自分が落ち着いて机に向かえるのが一番の要素かな。部屋の壁も、くつろいだり人と交流する場とじっくり机に向かう場で壁のクロスも色分けし、落ち着いて過ごせている。

 もう50年も前に建て売りで親が購入した家なので、研究室の隣の部屋は和室で畳も古くなって長いことなんとかしなくてはと悩んでいたが、歩くたびに古い畳のゴミが靴下に付くようになってついに洋室に改造した。押し入れも現代の生活では利用しにくくなっているので開放し部屋を広く利用できるようにした。もちろん中に溜まっていた多くのものを処分したが、着るものから用の済んだ収納家具などずいぶん多くの場所を占めていたことを思うと、勿体無いのはむしろそういったものが占有している場所のように思う。

 この頃読んだ新聞にこの近くの東和田に自分の家を改造して人が集う交流の場をスタートさせた人がいるそうだが、シニア世代でそういう自分の居場所づくりのイメージを膨らませている人が多くなっているのは大事なことのように思う。「趣味起業」がこのホームページの主題なので、そういった人のつながりはこれから大事にしていきたい。