「楽しい」の意味はなんだろう。合唱をしていて綺麗にハモった時はうれしい。曲の訴えることに自分を重ねて歌えたら幸せだ。リズムに乗って歌う楽しさ、仲間と心を通じ合う楽しさは是非求め続けたい。牧野篤先生は、「趣味はそれそのもの(例えば合唱)が目的となることではじめて、それを学び、実践するシニア世代にとって、意味のあるものとなる」と著書の中でまとめられている。確かに上に書いたように、合唱そのものの表現の楽しさを感じられることが本当の意味で「楽しい」ことなのだろう。一流の指導者として大勢の人に頼りにされるためにその原点を忘れないようにしたい。
今日は、指導している中学校の部活動発足会だった。まだ、2・3年生だけでのスタートだが、一人もやめず顔を揃えられてよかった。このブログを書いていてやはり「楽しい」と思える活動、よりレベルの高い演奏をする喜びを大事にしていきたいと思う。老年期の人と違ってこれから社会へ出ていく中学生には、多くのことを考えさせる場を用意したいと思う。部活動は授業とは違って自分の意思で自分のやりたいことに挑戦する世界だ。やってよかったと言ってもらえるように私も学び続けていきたい。
三学期から歌っている曲がある。生徒が選んだのだが、“正解”(野田洋次郎作詞作曲)という曲だ。歌詞を一部紹介する。
♪ああ答えが ある問いばかりを教わってきたよ そのせいだろうか
僕たちが知りたかったのは いつも正解など大人も知らない
喜びがあふれてとまらない夜の眠りかた
くやしさでにじんだ心の傷のなおしかた 傷ついた友の励ましかた (略)
制限時間はあなたのこれからの人生 回答用紙はあなたのこれからの人生
答え合わせの時に私はもういない だから 採点基準はあなたのこれからの人生
よーい はじめ!
われわれ老年期の人間は、すでにたくさんの回答を書いてきた。それを振り返ってどれだけマルやバツをつけられるだろうか。しかし、その作業そのものが新しい回答用紙だ。本当に「楽しい」ことってなんだろう。まだ学び続け、活動を積み重ねていきたい。(続く)