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幸福な老い その3

 昨日紹介した女性の例は、大事なポイントとして、新しい世界を見つけ出していく楽しさを経験できたことと、その開拓精神が自身のアイデンティティとなってきていて、他の人にはない新鮮なアイディアを活かして仕事で成果を上げてこられたことが挙げられると思う。レベルの差こそあれ誰でもそんなマルチステージ化を実感することができたら楽しいし、生きている喜びを感じられることだろう。

 先日市役所へ行った時もらってきたチラシが手元にあるが、一つは「シニア人材活用セミナー」もう一つは「ながのシニアおしごとサポートセンター」のチラシで、どちらも高齢者の雇用を進め、企業とシニア人材のマッチングを図るためのものだ。そこに書かれているように「生涯現役で幸せ実感」となって欲しいものだ。

 去年の公民館講座である高齢者女性から話しかけられたが、「私はバッグを作るのが好きで、展示会で並べたけど全然売れません。どうしたらいいですか」ということだった。なんともその場ではお返事できなかった。好きなことをして豊かな収入を得られればこんな幸せなことはないのだが。そんな自分の好きなこと、得意なことを生かす仕事とのマッチングが成功するシステムが期待される。

 どんな仕事でも、与えられたことをなんとなく片付けるのではなく、自分らしい工夫をしたり、できれば成功するための勉強をして、その真髄を掴んだりするとかなり面白くなる。私は運営協議会の委員などもいくつかやっているが、できるだけ自由な発想で色々な視点から問題を見つめ発言するようにしている。このホームページのように心理学的についての学びはそんな場面で他の人とは違う利用者サイドのユニークな発言をする土台となっている。(続く)