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これが自分 その8

 青春期の不安定さを語ってきたが、人生には3つの大きな移行期がある。前成人期への移行(17〜22歳)、中年期への移行(40〜45歳)、老年期への移行(60〜65歳)で、何か厄年と関係あるところは面白い。人生の中で、自分の社会的立場が大きく転換を求められるということで、人類はそこに注意して生きるよう経験的に気づいてきたのだろう。

 さて、私のブログでも今回からは、中年期への移行に触れてみたい。青春期は、自分の仕事を見つけ、仲間と関わり、家庭をもちなどと個人のレベルでライフサイクルを進めていく。次の中年期の移行になると、世代を超えて関わりを持ち、個の責任だけでなく集団の責任も背負うようになる。やりがいというポジティブな心理で乗り越えていければ良いが、重責というような表現がのしかかることも事実だ。家庭でも、このあたりから子どもたちが手を離れて自立してくる時期にあたり、特に家事と子育てにほとんどの時間を割いてきた女性にとっては、新しい方向への転換を迫られる。人生100年時代と言われ、これまで以上に、マルチな人生ステージの経験を大事にしなくてはならないようになる。ここでも心理学の重要な役目があるように思う。

 私にとってこの移行期はどうだったのだろうか。中年期への移行の直前、前厄、本厄、後厄の3年間は国立大学の附属学校教官として厳しい日々を送った。教師のあり方は何か、教育が背負う役目は何かと研究に明け暮れた。若者の教育実習に重い役目を背負い、中途半端な考えでは認められない毎日だった。県内各地から集まった同年代の仲間と語り合った。そして中年期への移行期に当たる40代前半は、出身の長野市に戻り、学校の研究主任、市教育センターの研究委員など、学校を支えリードする立場になり、それまでとは大転換の教員人生となった。

 現場にいた頃、その頑張ったことを自信満々に語ることは、疎まれるだけなのであまり話してこなかったが、このブログは自分の人生を整理することでもあるので、思い出してまとめてみたい。(続く)