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これが自分 その7

 私は長野市ボランティアセンターの運営委員をしている。その広報の原稿を今書き上げたが、その内容はこのブログで扱ってきたこととつながりがある。

 毎年夏休み頃、中学生や高校生の希望者を募って「サマーチャレンジボランティア」という事業を行なっている。市内の協力してくれる団体や施設でボランティア体験を行う事業だ。私が委員になった頃は、「毎年呼びかけているが意識が高まらない」とか「学校などの協力が限定的」といった反省があった。しかし、参加者は毎年ほとんど新しい子だし、学校の担当者も毎年のように変わる。同じことを繰り返し説明していきましょうと励ましたり、参加者はどんな成果を感じているのか調べましょうと提案したりした。そして、この頃は、事前・事後の指導を大事にしてくれたり、参加動機や振り返り感想を整理し委員会に提案してくれるようになった。

 今でもかなりの割合で「進路や内申のため」という子が多いが、終わって「あたたかい言葉をかけてもらって嬉しかった」とか、「誰かのためと思っていたが、自分自身のために良かったと思う」などと、人とのつながりを成果として書いてくれる子が多くなった。運営する側の参加者の意識の成長に目を向けた取り組みの成果とも言えるだろう。

 昨日のブログで、医師も教員も免許を取っただけでなく、現場で人や社会と向き合って本当の意味で学んでいくということを書いたが、上のサマチャレも関係があると思う。机に向かっているだけでなく、社会につながっている一人として自分を見つめることで、自分の存在(アイデンティティ)を確かなものにしていきたいという気持ちを膨らめてほしいと思う。そして学ぶことの意味も見えてくることを願いたい。