「まことの花」をテーマに、合唱団活動を見てきた。世阿弥のように日本の文化の象徴として世界的存在の人と同じように芸の世界を追求することは無理だ。ただ今目の前にいる人たち、もちろん私自身も含めて、自分らしい「まことの花」を求めて続けていく姿勢が大事だ。レベルが低くても本気なら良いというものでもなく、重要なことは「心のままに」の部分かと思う。自分の考え、日頃の行動や高まり、そういったものに目を向け、意識していくことに大事な部分があると思う。生活の中で感じる些細なことでも喜びを感じるのは、そのこととしっかり向き合いコントロールしようとしているからだ。
私が合唱団の指導者として呼ばれたのも、そこに目を向け、わかりやすい練習、演奏の違いに気づかせ、成果を自覚させることを大事にしてきたからのように思う。合唱団で大勢の人と向き合うから、それぞれ考えや行動は千差万別。だからこそ、そこに共通するものが真の「まことの花」で、それは自らのアイデンティティと向き合い、自分の変容を楽しめるからだと思う。自己紹介カードはそれぞれの人の思いを受け止めるためであるとともに、団員がこの合唱団に入った動機や目指すものと向き合ってほしいからだ。
学校の授業と違って、学習カードを配って、毎時間の感想や反省、次回の課題を書いてもらうのは難しいが、何かそれに変わるものをやりたいものだ。(続く)