スマートエイジング賢く年を重ねる7つのポイント、次は「好きなことに取り組む」だ。
一流のプロは一万時間を超える練習を重ねているとか、シミュレーションとフィードバックという自分の進歩を図る自己認識が重要だと扱ってきた。しかしそれは「好きだからできる」のだろうか。メタ認知の説明で扱ったように、好きにも段階があると思う。
「楽しい」「面白い」がスタートだろうが、これには環境がとても影響しているように思う。その人の性格や身体的特徴など、様々な要素が関係しているだろうが、どのように何と出会うかがまず入り口だろう。私は父親が野球が上手くて、子どもの頃は父が勤めていたトラックの基地になっている広場でよくキャッチボールをしてもらった。自分にとってスポーツと言えば野球だった。私の世代は「巨人・大鵬・玉子焼き」と好きなものを象徴的に言われるが、ずっと巨人ファンだった。中学で野球部に入ったが体を壊し、合唱の世界に先生に誘われて入った。その後、熱心になった理由を挙げれば、自分の能力が向いていた、仲間と関わる楽しさを覚え、素敵な先輩に出会うなど、生きる環境がそちらの世界に埋まっていったからだろう。
単なる「楽しい」「面白い」とは違う、辛いことがあっても一生懸命やることで乗り越えていく経験をし、厳しいことと出会うことも意味があると感じるようになった。「楽しい」「面白い」の意味が変わってきたように思う。それは合唱以外の全ての面につながる生き方のレベルアップであったように思う。賢く年を重ねる「好きなことに取り組む」の意味はそこにあるように思う。ただ広く色々な人に説明する時に、難しく扱うのは間違っているようにも思う。入口は単純に「楽しく」「面白い」と思えるハートが大事なはずだから。(続く)