賢く生きる7つのポイントで、「好きなことに取り組む」の次は、「明確な目標を持つ」だ。義務教育の世界で38年、市教委で社会教育に取り組んで5年と教育の場で長年勤めてきた。それが満期になる年齢で、無性に組織の中で決められたことをするだけでなく、自分がコントロールできる日々を過ごしたくなった。幸い年金が出る年齢なったのだから、あの世へ行く前に、何か自分の選択の自由さの中で、これまでとは違う自分の可能性を試したくなった。
人生100年時代、学ぶこと20年、勤めること40年、そして残りの人生が数年なのか40年もあるのか、わからないが、ともかく自由な発想で様々なことに取り組み、自由な立場で様々な人たちと関わり、自由な時間で学び続けたかった。
ただ気をつけないと、日々をなんとなく過ごすことが多くなるのが普通だろう。切り絵作家のYさんと話した時、「この間退職した校長先生方の会に出たら、ほとんど、あそこが痛いとか、この薬が効くといった話が多いですね」と教えてくれた。もちろんそれも他人事ではないが、もっと前に進み続ける話がしたいものだと思った。
まずは、フリーになるからといって、「元○○小学校校長」という立場ではなく、自分の存在を明確にしたかった。一番やりたいことは何かと考えた。やはり今まで書籍だけ増えて、本当にその場限りで過ごしてきた研究をしたかった。研究といっても個人的な勉強だが、それを生かして講演会や各種の協議会の委員としての立場で、一味違った意見を出し貢献したいと思った。そしてMIC教育心理研究室と名付けて動き出した。
これだけでは名前だけなので、自分の経験を生かして、公民館講座や合唱団指導を行なっているが、それに脳科学や心理学で学んだことをもとに、参加してくれる人の人格の発展に寄与したいと思っている。それも一味違うことと言えると思った。他に、自身の合唱団活動でも役員として頼られる存在でいたいし、去年は鈴木憲夫先生のレクイエム世界初演という演奏旅行でシュテファン大寺院で演奏も経験できた。そしてこのホームページづくりも大事な一歩だ。(続く)