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シンプルでどこでもできることを続けることの意味深さ

 歌と健康セミナーでストレッチや筋トレを扱ったが、必ずお伝えしたことは、「なるほど」と「わかったから良かった」だけでなく「よーし」と自分の日々の中でささやかな事からでもいいから続けましょうという事だ。

 最近コロナ騒ぎでテレビをつけると頻繁に体を整える体操のようなことの紹介がされている。関心のある人はあれこれやってみるとは思うが、三日坊主どころか試しにやってみているだけの人が多いのではないだろうか。

 私はというと、よく続けているのが片足立ちだ。スキーが好きで、片足に乗ってターンするのをよく試していた。合唱の発表の前に袖で集中力を高めようと肩足立ちでスケート選手のような格好をよくやっていた。それが日々の日課になったのは、教員を退職して教育委員会に毎日バスで通うようになってからだ。バス停で待っている時間が暇で毎日1分間ぐらいやるようになった。何かのテレビ番組で「片足立ちの1分間は、40分間歩くのに匹敵する筋肉への負荷をかけることができます」と聞いた記憶があるからだ。忙しい中でそんなありがたいことは実践すべし。

 合唱の講座で、歌う姿勢を扱った時、背をすっと伸ばしてバランスよく立てない人が多い。平らな壁に背中をつけて姿勢チェックをしたり、腕を壁に沿って上げ下げしたりなど、インナーマッスルの働きに注目してもらった。あと、足の親指に神経を入れましょうと、母指球に重心をかけることもやった。片足立ちをすると足の裏の筋肉がバランスをとろうとピクピク動く。それだけの緊張感を持って全身のパワーで歌いましょうと呼びかけた。

 たまたま今朝のテレビで、40代女性は急に転びやすくなるというのをやっていた。その中で太極拳の効果をやっていたので、面白いと思って講師の動きを真似してみたが、私は両手を前に出し、片足を高く上げ立つことができた。初めてやったのにうまくできて嬉しかったが、これは片足立ちを続けてきた成果だろう。続けてこられたのは、単純なことだったことと、どこでもできることだからと言える。大事なことは意味がわかって続けられることだ。足の裏のバランスを取る筋肉は内在筋というのだそうだ。体を動かし、頭を働かせ、心に感ずる生活の実践例を紹介しました。