男声合唱団Z E Nの練習がスタートした。コロナウイルス騒ぎで、3月以来半年を超える活動停止状態だった。団員数が多いので当面は半数ずつの活動で感染のリスクを減らすことになっている。あらためて集まってみると、年齢も経験も様々な人たちの集まりだ。一時名簿上100人を超すこともあった大集団だ。全国的に見ても珍しい。もちろん退職し余生を楽しんでいる人が多いが、その前歴は社会的にも重い人が多い。「長野を元気に」の合言葉のもと、男性ばかりの活動でがんばってきた。
帰ってきてたまたまテレビをつけたら、100年企業の閉鎖・倒産など、コロナ騒ぎで地域の核として存在してきたような有名な宿や会社、伝統産業が危機的状況にあることが報じられていた。単に一つの組織が潰れるだけでなく、地域のつながり、地域の人の経済的困窮、祭り等の文化継承の困難さなどいろいろな意味で大きな影響がある。このコロナ騒ぎが済んだら、日本中どこの街に行ってもあるような食堂、店、ホテルなどチェーン店ばかりが生き残り、個性のない風景になりそうな不安がある。包丁など日本の技術は、世界の人が驚き、海外からわざわざ買い付けにくるといった話を聞いたことがあるが、三味線のような、日本独特の文化に関係する物は作り手もいなくなり、当然技術は廃れてしまう。
我々の合唱活動は世界共通の文化で工夫次第でたくさんの楽しみがあるが、日本独特の文化については、一般の人たちの支えだけでは無理だろうとあらためて思わされた。なんとか関心のある人たちの連携で、地域のつながり作りやイベントの開催、行政を巻き込んでの文化活動支援など、できることを広げて行かなくてはいけないと思う。
以前長沼公民館を中心に地域の歴史を掘り下げて本にまとめたり、お蔵入りしていた屋台を引き出し地域の連携を高めたり、非常に近隣の見本となるような動きがあったが、昨年の台風災害で大きな打撃を受けてしまった。こんなところにシニア世代の、特に男性陣のパワーを生かせる場があるように思う。公民館活動で集まるのは圧倒的に女性が多いが、わが合唱団のように、各地域のシニア世代の男性が過去の経験を生かして動いて欲しいものである。