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自分事としての実践あるからこその「初心忘るべからず」

 今日は更北公民館で、「歌と健康セミナー第2回目」があった。人数も多く、合唱経験者も多いようだったので、歌う時間をできるだけ多くし、講話はその合間に実践とつなげてできるだけ話すようにした。今日は、体を動かし、頭を働かせ、効果的に活動を健康に結びつける技を伝えたかった。体を動かしても、使うべき筋肉を意識して動かさないとその価値は薄れるだろう。

 社会教育主事をしていた時、講演会の感想などをまとめた報告資料を目にすることが度々あった。ほとんどは「よかった」「参考になった」など好感を持っていただいたものが多かったが、やや残念に思ったこともある。それは、講演の狙うところを自分の問題として本当に受け止めてもらっただろうか?知識をしては意味のあることだろうが、どこか他人事のように感じていないだろうか。例えば災害などをテーマにした講演で、その内容はよその地区のことであっても、似たようなことは自分の身近でも起きる可能性があるのではないか。日々のこと、自分の生きている状況のことに置き換えたらどうなるだろうなどと、どこまで深く考えただろうか。

 昨日は「初心忘るべからず」と命尽きるまで学び続けることをテーマに書いたが、その学びはやはり日々の実践の裏付けがあるからこそ、問題意識をもち実感を伴って考えられるのではないだろうか。素晴らしい合唱を求め、そのためにどう体を動かし、いろいろなことに頭を働かせ、そして、響き合い、人と心を通わせ、合唱することの意味・価値を心で感じ取りたい。歌の世界に自分を主人公として描き、世界に旅立ったり恋をしたり、時には泣いて再起を誓ったり‥‥。私のセミナーでは、そういった自分事として学ぶ世界に触れさせたいものだ。