私のシニア起業のもう一つの世界、中学校の合唱部活動指導員。教員の負担軽減をねらった国の事業だが、まだまだ限られた配置で当面現状維持だろうか。今後は地域ボランティア的な方向になっていくニュースもあるが、大事にしたい内容ではある。
昨年、2年、3年それぞれ3人ずつで廃部の声も上がる中、要請されて指導に入った。私自身の好きな世界で、しかも、生徒たちは合唱の世界を求めて来ているので、ある意味自分の人生にとってもうれしい価値のある仕事であった。ただ、授業を受け持っているわけではなく、預かった生徒に精一杯関わるだけで、ワンパターンな付き合いになってしまうのも不安である。まだ昨年は土曜日の練習があり、ゲームをしたり、時間をかけて話し合いをしたりしたが、今年はコロナ騒ぎで制限されて、平日わずかな練習で、しかもマスクをしたまま、雑談も遠慮するように言われ、気の毒であった。
今日文化祭が行われたが、例年通りにはいかず、限られた時間と内容の発表であった。合唱部は3曲発表できてうれしかった。練習も限られ、コンクールも中止。今年初めての発表だった。昨年6人でスタートした部が、今日は15人で演奏できたのは生徒にとっては大きな出来事だ。良い思い出になってくれるといいが。
去年、生徒に伝えた大事な言葉は「主人公」。禅の言葉で「主人公」とか「莫妄想」とか自身を立てる言葉をよく見るが、今の中学生を見たとき、「なんとなく」でない世界を実感して欲しかった。今日の発表でも、自分だけを見てくれている人もいる。そんな人がいなくても、同じ歌を歌っていても、隣の仲間とは描かれている世界は絶対同じものではない。演奏そのものはまだまだ改善したいものは多いが、今日の集中力はとてもいいものがあった。部活動はそれのためにやっている気がする。「現実は厳しい」などと未来を想定して大人は言うが、今目の前にあることこそが現実で、それに向かう姿勢、生き方が全てに通じるはずだ。まさに「主人公」