· 

人もうけで、リ・クリエーション(再創造)

 混声合唱団エールの発足、そして、指揮者としての依頼を受け本格的に動き出した。

以前客演指揮で演奏会を一緒にやった人たちの中で、「あんな合唱を続けたい」という声が上がり、2年近く検討を進めたようだ。本気モードの人たちの想いが高まり「ぜひ先生に指導をお願いしたい」と声をかけられた。本格的に動き出したのは、なんと我が家の近くの100円ショップで、Nさんとバッタリ会ったのがきっかけだった。とても熱心に語ってくれ、そのエネルギーでお仲間にも会ったことを伝え精力的に動いてくれたのだろう。後日正式に依頼が届いた。人との出会いが人生の大きな節目になることはあるのだ。「金儲け」は誰でも関心のあることだが、「人もうけ」も大勢の人が経験しているのではないだろうか。ソーシャルキャピタル(人的関係資本)の豊かさを手に入れるには、ただ待っていてはダメなもので、日頃の活動の広がりや質の本物度合いが大切なのだろう。

 人生100年時代、特に超高齢化の進む日本は世界中から注目されている。「Life shift(ライフシフト)」(東洋経済)では、人生のマルチステージ化についてわかりやすく説明してくれているが、自分も人生を振り返ってみるに納得できることがたくさんある。

 例えば、“リ・クリエーション(再創造)”の大切さが今日の話題に直結する。「余暇時間にはレクレーション(娯楽)ではなく、無形資産に時間投資し、自己のリ・クリエーションを行うようになる」という主張が重い。以前は、仕事の引退、余生と言われた時代を、なんとなく過ごすのでなく、「自分は何者なのか」アイデンティティーを意識し、可能性を求め続けることの大切さをぜひ見つめていきたい。団員さん達と、合唱を楽しむだけでなく、自身の再創造、賢く年を重ねる面白さを求めていきたい。